僕は大学で学友会バレーボール部といういわゆる部活動をやっていました。
当初は中高の時みたいに真剣にバレーボールがしたいなぁという気持ちで入部しましたが、
これがとんでもない悲劇の連続を引き起こすきっかけになったのです。
関東遠征に行った
3年の3月に、関東の大学と交流戦をするということで関東に遠征することになったんです。
関東遠征の初日は茨城県にて練習試合をする予定だったので、在来線を乗り継いで水戸駅へ
向かうことになりました。
水戸駅に着いたのはだいたい正午で、練習試合が始まる時間までしばらく時間があったので
近くで飯でも食うかって話になったんです。
それで僕は同期4人と一緒に水戸駅にあった吉野家で腹を満たすことにしました。
席の配置としては、壁際の2人用のテーブルが横に並んでいるところを端から一つ開けて
3つずつ使う形で座ることになりました。
僕含めて5人で来ていて、ちょうど僕の前の席が空いていたので、そこに自分のリュックを置くことに
しました。
注文した牛丼定食を平らげて、同期が飯を食い終わるのを待つ間、話しかけるわけにもなかなか
いかないのでとりあえず携帯でも見て時間つぶそうかと思ったわけです。
しばらくすると携帯の充電がなくなりかけていることに気づいたんです。
遠征初日で移動が長かったため、それによる暇をつぶすため携帯を見まくっていたことが仇に
なったのかもしれません。
たしか自分のリュックにモバイル充電器があったはずだと思い出したので、向かいの椅子においてある
リュックに手を伸ばそうとしますが、机が縦に長くてなかなか届きません。
仕方なく立ち上がり、椅子の隣まで歩いてリュックからモバイルバッテリーを取り出そうと中身を
探していると、突然僕の尻に衝撃が走るのです。
スパァァン!!
とっさの出来事に振り替えるとそこに座っていた老婆が激昂した様子で
「あんた人様に向かって尻を突き出してんじゃないよぉ!!!!」
僕はこの時このような状態で荷物を漁っていました。
これを見てどうやら老婆は自分にケツを向けられていると勘違いし、僕のケツをしばき返したんだと
思います。
僕はこのときあまりに意味不明な出来事が起き、反論する余地が全くなかったため
「あ、、ああ、、、すみません、、、」
と困惑したまま謝罪しました。
それでもご立腹の様子だったので、「なんだこのババアは」と内心思いながら、
「いやぁ、申し訳ない! 申し訳ないっす!」
と適当に追加で謝ってソファに座りなおしました。
考えてみれば僕は別に何も手は出しておらず、向こうが勝手に自分に暴力を加えてきたので、
そのまま警察に通報することも可能でしたが、1時間後に練習試合が控えているので面倒事は
避けなきゃいけないと思い、そこまでには至りませんでした。
これ、僕が悪いんですかね?
別に尻を突きだそうだなんて思いもしなかったし、突き出すにしてもそんなシワシワの婆さんにでは
なくてもっとぴちぴちの妖艶な美女にしかしないだろうし、何を勘違いしているんだこの婆さんはって
思いましたよ。
このままでは釈然としなかったので、僕は勝手に「あの婆さんはケツに親を殺されたんだな」と
決めつけて吉野家を後にしました。
このあと同期から「よくやり返さなかったな」と称賛してくれました。
やり返そうとも思えないけどな。あまりに異質な状況だから。
皆さんも水戸駅の吉野家に行って、隣に婆さんが座っていたら気を付けてください。
尻をしばかれる可能性があります。
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