全てがネガティブな男

僕の研究室には僕を含めて4人の同級生がいます。配属されて半年以上が経つのでだいぶ仲も深まってきたのですが、それと同時に同級生の人間性なんかも見えてきました。

人間だれしも関わるのが億劫になってしまうような人間に出合ってしまいます。僕も今回の研究室配属でそれを経験することになりました。それが樋口(仮名)という男になります。

樋口の特徴を一言で述べるとするならば、「発する言葉全てがネガティブである」ということです。例えば、「俺、今週末ワンピースの映画見に行くんだよね~」と話したら、「私、ワンピースの面白さが一切分からないんですよね、本当に面白いんですか?」と返ってくるといった感じです。

要するに、何を言っても否定されるのです。会った当初は、「なんだこの嫌味な奴は」程度にしか思っておらず、普通に接していましたが、半年以上たっても話す内容のほとんどを否定されたり、「へぇ」という二つ返事しか返さないため、会話してもつまんないしこっちまで暗くなるので自然と話さなくなってしまいました。

他2人も根気よく樋口に話していますが、ことごとく嫌味な返事が返ってくるのでその度に苦笑いしています。孤立させるわけにはいかないのですが、どうしても話しかけたら嫌な返事が返ってくると思ってしまって、話しかけづらくなってしまっています。2人はすごいです。

外見も気になってしまいます。あまりにも体が細すぎるんです。この前はついに教授からも心配されていました。教授からも心配されるって相当ですよね。それほどまでに目立ってしまっているんです。

夏場だと樋口は半袖半ズボンでゼミに来るのですが、腕と足があまりに細すぎて折れちまうんじゃないのか?と不安になります。冗談抜きで僕の半分くらいの太さしかありません。

理系の学生ってこれが普通なんですか?今まで生きてきた中で一番体が細い人間と出会ったような気がします。本人曰く、授業とかがない限りずっと家にいるらしく、飯もあんまり食べないみたいです。食堂のカレーライスもSサイズしか食べていない(というかカレーしか食べていない)ので、摂取量もかなり少ないみたいです。おそらく不健康なのでちゃんと飯を食ってほしいところです。

話は変わりますが、僕の女性のタイプはやせ型というより肉付きの良いぽちゃ系のほうが好きです。理由としましては、まず見た目が健康そうであるということと、単に自分の性癖に刺さるからです。あまりに細いと頭の中が「体が折れないか不安」で占められるため話に集中できないんです。やはり健康体が一番です。

こういう人間関係で大事になるのは、やはり自分がされて嫌なことは他人にしないということですね。樋口のように、僕がされて嫌だなって思ったことは、おそらく周りの人間も嫌だなって思っているはずです。自分はこうはならないと高をくくっていると、いつの間にか自分が恐れていたものになってしまう可能性があります。なので反面教師にしたいですね。いい経験ができました。

ちなみに樋口は来年別の研究室に行くみたいです。第一志望の研究室に僕らが所属している研究室を選んでいたのですが、なぜか落選して別の研究室を選ぶ羽目になったようです。志望者が1人、2人増えたくらいなら定員増やしてくれてもいいと思ったんですが、謎です。僕はちゃんと第一志望の研究室で通りました。やはり院試勉強をちゃんとしておいてよかった、、、(切実)

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