皆さんこんにちは。本日も大学院受験の正しい生き方講座にご参加いただきありがとうございます。
今回はいよいよ院試科目の勉強の仕方に関する解説を行います。
以前の講座はこちらからどうぞ。
以前も言いましたが、TOEICなどの英語科目がどれほど良い成績だったとしても、院試本番の基礎・専門科目がしっかり点数を取れなければ合格する保証はありません。
正しく院試対策を施すことで確実に合格点を獲得しましょう。
それでは始めていきます。
いつ頃から勉強すればいいのか
院試勉強を始めるとなると、ただ闇雲に勉強をするわけにはいきません。
皆さんはおそらく大学受験という関門を潜り抜けてきたかと思います。その時も皆さんはしっかり勉強計画を立てて、どのように勉強をするか熟考したことでしょう。
それと同じように、大学院受験も勉強計画を立てる必要があります。
人によって計画の立て方は異なる
さて、どのように勉強計画を立てるについてですが、結論から言うと計画の立て方は人によって異なります。
学部時代をほとんど勉強に費やしてきて主要科目をちゃんと勉強してきた人にとっては、ちょびっと教科書を復習して過去問演習をすれば2, 3 ヶ月も要さずに対策は完了してしまうでしょう。
一方で学部時代にサークルなどで友達と遊んでいた人にとっては、教科書の内容などほとんど忘れていて1 から復習する必要があるので半年近く対策をする必要があるかもしれません。
重要なのは、自分の実力がどの程度備わっているのかを確認することです。
全然科目の内容を理解していないのに過去問対策ばっかりに費やしていたり、反対に十分に内容を熟知しているのに半年近く対策をしているのは、いずれにせよ院試勉強という行為が無駄になってしまう可能性があります。
第 1 講目のTOEIC編とやることは同じです。つまり、とりあえず最初に素の状態で院試の過去問に取り組んでみるのが良いでしょう。
分からなくても良いので、まずは自分が臨む大学院の試験にどれくらい対抗できるのかを知る必要があります。過去問に解答がついていない場合は解いた手応えを確認するだけでも十分でしょう。
僕も初めて過去問に触れたときは、全然解くことができずに絶望していました。
しかし何の問題もありません。院試の問題というのは、大学受験の試験と違い教科書に載っているような基礎的な問いがほとんどだからです。
全ての研究室がそうかと言えば断言できませんが、大抵は指定の教科書に載っている演習問題が解けるぐらいの実力を持っていれば、本番の試験で焦ることはないと思います。工学部は特にそうです。
なので、現時点で変に焦る必要はありません。じっくり実力をつけていけば、本番で戦うことができます。
僕の勉強計画
あんま抽象的な話を聞いてもよくわからないと思うので、僕が実際に行っていた院試勉強の計画表をお見せしたいと思います
TOEICの対策を始めたのが3年の1月だったので、これを院試勉強に含めるとするならばおよそ7か月近く院試勉強をしていたことになります。
僕は一度5月ごろに過去問を解いてみたのですが、それほど致命的に解けないというわけではありませんでした。ですが教科書を使った復習と過去問演習にはかなりの時間をかけていました。その理由ですが、上のスケジュール表にある通り僕は8月の中旬まで部活動に所属していたのです。
なので1日で勉強に費やす時間が限られており、早い段階から基礎・専門科目の対策に取り組んでいました。
周りの友達にも聞きましたが、僕のスケジュールでは院試対策が周りに比べてかなり早かったことが分かりました。
みんな研究室の院試休みが始まる7月あたりから対策を始めており、5月あたりから対策を始めていた僕はかなり珍しい部類に入っていました。ですがそれも結局、部活をやっていたが故であり、時間を十分にとりすぎたというわけではありませんでした。ちょうどいい塩梅だったと思っています。
なので教科書の内容をあんまり覚えていなかったり、あるいは部活やサークルで忙しかったりする人は僕のようなスケジュールを組むのが良いのではないかと思います。
試験科目の勉強の仕方
さて、院試対策のスケジュールを組んだところで問題になってくるのが、どのように試験科目を勉強するのかだと思います。
初めから試験科目がすべて固定されていて、選択する必要のない場合は受ける試験科目すべてを勉強すればよいですが、複数題ある中から2, 3問選ぶというパターンの大学院もあると思います。そうした場合にどうやって科目を勉強すればいいか悩むと思います。
最善策は人によりけりで正解はありませんが、僕がやってみて良かったと思う戦略を紹介しようと思います。
基礎科目は1, 2問余分に対策する
基礎科目というのは、主に大学1, 2年のときに履修した分野のことです。
例えば、線形代数や微分積分に物理学基礎、電気系なら電磁気学、電気回路学などが挙げられます。
基礎科目は全部で6題用意されており、試験ではその中から2題を選択して解けとのことでした。僕の場合、そのうち4題が「解けなくもないなぁ~」と感じていました。というのもそれら4題は授業で履修しており、基礎知識がある程度備わっていたからです。
そうした中でどうやって基礎科目を対策しようかと考えたときに、まず僕はこう考えました。
どうせなら4題全部まとめて対策しちまおう!!
これの理由としては、万が一解こうとしていた2題が激ムズで解けそうにない場合に保険として解くことができると思ったからです。
しかしこの計画のもとに実際に対策をし始めると、あることに気づき始めます。
あれ、、、、これ、対策しきるのに時間足りなくね、、、、???
僕の受けた大学院では、一つの試験範囲が教科書1冊丸々出題されると書いてありました。大学の教科書というのは皆さんご存じの通り高校のものと比べて極めて難解です。もちろん分かりやすい(易しい)参考書も販売されていますが、教科書として指定されていることはあまりないと思います。
別に指定教科書なんて使わずとも自分に合った教科書を使えばいいじゃないかと思うかもしれません。
しかし指定教科書というのはかなり重要です。指定教科書に載っていることが出ることはあっても、使いたい参考書にしか載っていないものが出ることはほとんどないでしょう。
そうなると効率面からみても指定教科書以外の参考書を使うのは賢くないです。
以上の点から指定教科書を使わざるを得ませんが、大学の指定する教科書など碌なものじゃないです。
誤植はあるわ、演習問題に解答は載ってないわで散々です。参考書はそういう困ったときのための辞書的な立ち位置で利用するのがベストだと思います。
話は逸れましたが、結論を言うと基礎科目の勉強法は「本命の問題+保険の問題1題」がベストでした。
本命の問題だけでは万が一解けなかった場合に詰むし、保険の問題を何題も対策しようとすると時間が足りなくなってしまうので、そうした折衷点から上記の結論に至りました。
もちろん、時間的に余裕があったり得意な科目が何題もあるのであればこの限りではないと思います。柔軟に自分用に対策してみてください。
専門科目は本命の問題を確実に解けるようにする
専門科目というのは、主に大学2年から大学3年前期に履修した分野のことを指すのがほとんどです。
電気系なら例えば、システム工学や変圧器、電子回路や量子力学などです。
専門科目も基礎科目と同様に6題用意されていました。そのうち解けそうだったのが2題であり、試験では6題中2題選択して解かなければいけませんでした。
基礎科目と同じ理論で行くと、保険として用意できる科目がありませんでした。ピンチです。もし1科目でも意味の分からない問題が出てしまえばその時点で1題分の点数を失うことになってしまうのです。
困った僕は博打に出ました。指定教科書の内容をすべて完璧に暗記して、本命2題のみで対策しようと考えたのです。
こうなった理由としては、基礎科目と違って専門科目は本命以外の科目を履修していなかったというのが挙げられます。大学というのは学年が上がるごとに専門性が増していき、学科・コースによってとる授業に偏りが出始めます。そうなると全く知らない分野に院試で初めて出会うことになり、たった3ヶ月で指定教科書ほぼ1冊分をマスターしなければいけなくなるのです。
それはあまりに非効率だと僕は考えました。ならば知っている分野に絞って、そこを完璧に仕上げたほうが合理的だと思ったのです。
基礎科目の場合には、もし分からなくても他の問題に逃げられるという安心感がありましたが、専門科目の場合には、分からなかったら終わりで、絶対に解かなければいけないというプレッシャーがありました。
故に非常に苦しい時期が続きましたが、そうしたプレッシャーが後押しになってより専門科目への勉強に取り組むことができました。
したがって結論としては、知らない分野には手を出さずに、履修した分野のみで勝負する。もし他に履修したことのある分野があるのであればプラス1題保険で対策するのがベストだと思います。
多くの分野を対策するのはそれだけ負担となり、1題あたりの解答の精度の低下につながります。自分の能力に見合った戦略を立てて対策をしていきましょう。
過去問演習
教科書での復習を一通り終えたら過去問演習へと移ります。
過去問演習でやるべきことは2つあると考えています。
それは、「試験本番を想定して解くこと」と、「過去問の傾向を把握して解き方を覚えること」です。
一つ目の「試験本番を想定して解く」というのは、文の通り時間内にすべての問題を解ききれるようにシミュレーションしながら解くということを意味します。
せっかく与えられた問題を解ききる力があったとしても、それを時間内に解くことができなければ満足のいく点数など取れません。
過去問演習をするにあたっては、あなたの受ける試験の制限時間を調べておく必要があります。
僕が受けた大学院では、一科目あたりに与えられた時間がなんと30分しかありませんでした。
僕が想定していた試験時間は、基礎科目・専門科目それぞれ2時間くらいなのかなぁ~、などと考えていましたが、実際の試験時間はその半分の1時間しかありませんでした。
こうなると話は変わってきます。一問一問確実に解ききるというよりかは、時間内にすべての問題に触れてなるべく多く点を取ることに注力しなくてはなりませんでした。
このように、試験時間を把握してそれに見合った作戦を立てなければ、試験本番で良い点数を取ることはできないのです。試験時間を把握し、そこから実際に問題を解いてみて時間が十分にあると感じたのであれば全ての問題を時間をかけて解ききる力が必要になると思いますし、時間が足りないかもしれないと感じたら難しい問題を捨てる練習も必要になると思います。
二つ目の「過去問の傾向を把握して解き方を覚える」というのは、文の通り過去問を暗記してしまうことを指しています。
大学院の試験というのは傾向がほとんど決まっています。過去問を10年分くらい漁っていると、似たような問題が出てくることがザラにあります。全く見たことがない問題が出てくるというのはむしろ珍しいことだと思います。
したがって効率よく試験の点数を上げるのであれば、過去問を10年分ほど演習して、さらにそれを2, 3周してしまうのがベストだと考えています。
ただそれだけで対策するとなると、イレギュラーな問題が出てきたときに対応できなくなってしまうため、教科書での入念な復習が必要になってくるのです。
以上の観点から、過去問演習でやるべきことというのは「試験本番を想定して解く」ことと、「過去問の傾向を把握して解き方を覚える」ことだと考えています。これを2か月、少なくとも1ヶ月行えば試験本番で十分に点数を取ることが可能になると思います。
やっておいたら得すること
友達に頼りまくる
大学院に進学するとなれば、皆さんはおそらく4年生の時点で研究室に配属されていると思います。
研究室には何人か同じ大学院を受ける同期がいることかと思います。
ならば、院試勉強は友達と一緒にやるのが良いと思います。
理由としては、過去問の解答がなかった時に友達と議論することでより信頼できる答えを入手できるというのと、単純にメンタルが安定するというのが挙げられます。
一つ目の理由は、主に過去問の解答が手に入らなかったときに有効になります。
僕は基本的に過去問の解答が手に入らなかったときには、いちいち指定教科書の演習問題を参照して、似たような問題があったらそれを参考にして解くことで解答を得ていました。
それも一つの手だとは思いますが、どうしても答えが分からず詰まってしまう場面が出てくると思います。
そうした時に身の回りの友人に頼るというのは非常に有効な手段であると思います。
運が良ければそこで解答が手に入ることもありますし、なかったとしても新たな考えを取り込むことができて、ふとした時に突然解法が思いついて解くことができるかもしれません。
更には、自分が合っていると思っていた解答が間違っていることに気づくことができるかもしれません。
答えを間違ったまま覚えるというのは非常に危険な状態であるというのは誰でもわかることだと思います。院試勉強で一番恐ろしいところはここだと考えています。
なのでできるだけ周りの人間に相談して、自分の得た解答の信頼度を上げるようにしたほうが、より確実に点数を取ることができると考えます。
二つ目の理由は、特に大事にしていました。
高校まではクラスが存在していたので、受験のストレスがたまったとしても友達と気軽に話せるし、一人になることが少なかったので特に苦しむことなく乗り越えることができました。
しかし大学に入るとクラスという概念がなくなり、さらに研究室も院試休みでなくなるとなれば、より一人で過ごす時間が増えることになり、自分がやっていることが正しいのか疑心暗鬼になってしまいます。
そうなったときに研究室の友達と集まったり、部活やサークルのメンバーと集まって一緒に院試勉強をすると、安心感が生まれて安定したメンタルで過ごすことができます。
受験においてはメンタルも重要な要素を占めていると考えています。完璧な受験計画を立てていたとしても突然メンタルを病んで勉強に集中できなくなるなんて珍しいことじゃないと思います。
積極的に友達に頼っていくようにしましょう。おそらく向こうもそう思っているはずです。
まとめ
今回は主に院試勉強に関する解説をさせていただきました。
まず初めにすべきことは、院試勉強のスケジュールを立てることであり、その次に教科書等による試験科目の復習、そして過去問を使った演習という流れになります。
この通りにしなければいけないという最適解があるわけではありませんが、無計画に勉強をしたところで効果的に点数を上げることはできません。
自分に合った最適な勉強スタイルを確立させて計画的に勉強を進めていきましょう。
4回目では試験本番の注意点について解説していきたいと思います。
それではお疲れさまでした。
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